魔改造(コンデンサー山盛り)

元同僚の電気マイスターからSRS-Z1のアンプ部の改良というか改造ができたので比較試聴してみたらという提案があった。
マイスターのところのSRS-Z1は我が家のブラックバード号の予備機として数年前にメルカリで入手したワンオーナー物で、見た目は新品同様だしスピーカーもエッジの効いたハツラツサウンドを奏でる良品だった。
しかしながら昨年スピーカー端子の接触不良を起こしたのを機に不動品として仕舞い込まれていたのだった。
デスクトップ用としてはワンセットあれば十分だし、自力では直せそうもないのでマイスターに寄贈し、修理をしてご自由にお使いくださいという事になっていたのだった。
ところがさすがにマイスター、修理をするだけでなく内部の電解コンデンサーをオーディオグレードの新品に全交換という荒技をあっという間にやってしまった。

奥がオリジナル、手前が魔改造 まさにコンデンサー山盛り!

ということで今回の比較試聴ということになったのだった。この結果が良ければ我が家のSRS-Z1のアンプにも同様の改造がなされる計画である。
早速マイスター宅に出向いて受け取ってきたアンプと我が家のオリジナルアンプをば視聴、という前に重量測定をしてみる。
オリジナル:595グラム、改造品:623グラム、なんと28グラムもの重量差!、コンデンサーだけでこの差って凄すぎる。

オリジナル
魔改造品

視聴を開始。便宜上、オリジナル品をA、マイスターによる改造品をBと呼ぶことにあうる。
視聴環境はラズパイのDAC出力をSRS-Z1のアンプに入力する。曲の操作はPC上のVOLUMIOで。サブウーファーは接続しない。

視聴環境

一曲目はいつものようにビル・エヴァンスの「Waltz for Debby」。
出だしから全然違う。この曲はレストランでのライブ録音なのだが、Bではその雑踏が手に取るようにわかる。ベースの胴鳴りも一回り大きくふくよかだ。
二曲目は松任谷由実の「DANG DANG」。
Bは伴奏のピアノの響きが素晴らしい。ピアノの後ろに控えるベース、バスドラムのアタックもBが上。それに加えて音の左右方向の拡がりが大きい。左チャンネルから聴こえるパーカッションの位置がAよりも明らかに外に位置している。
三曲目はトミー・フラナガンの「Sea Changes」。好きな曲の一つだ。
Aも頑張っている。だがこの曲ではシンバル、ハイハットのリアリティさでBが際立っている。定位が良いのだろう。
四曲目はソニー・ロリンズの「You Don’t Know What Love Is」。
これに関してはAが良い勝負をした。出だしの一吹きの力強さ、暑苦しさではAがBに勝る。しかしながら全般的にAはウルサイとも言える。それに対してBは整った印象だ。ソニー・ロリンズ的には「A!」と言うかもしれない。
その後もサイモンとガーファンクル、ライオネル・リッチー、キース・ジャレット、ハイ・ファイ・セット、グレン・グールド、エリック・クラプトン等々と聴き進んでいった。
結論としてBがAに勝るのは、①SN比の高さ、②音像定位の良さと広がり、③フォルテシモでの破綻の無さ、マージンの大きさ、④音の艶やかさといったところだと思う。誰が聴いてもBが良いと評価されるであろうことを断言できる。
SRS-Z1の持つ潜在力の高さもあってAでもそのサイズからは考えられない音を出すスピーカーシステムではあるが、Bは更にその上を行く別世界だ。

僕のも魔改造やってもらおうっと。