バックロードホーンの音道のチューニングで納得のいくレベルの音が出るようになった新システム。
振り返って考えると、新システム(そろそろもう少し気の利いた名称にしよう)の目玉となるコンポーネントは;
① FE83NVを使ったバックロードホーン
② LXV-OT7改と専用電源
③ ラズパイDACでNAS音源を再生
④ 整備をばっちり済ませたV-8030S
⑤ 優しい音にしてくれる真空管ハーモナイザー
といったところだ。
①は二度に渡る改造を経てかなり良い線まで作り込んできた。
②は電気道マイスターによる素子のアップグレードに加え、専用のアナログ電源を驕った仕様。
③は5年前から使っているものだが、今回のシステムに組み入れるにあたってゲインを上げたことでかなりの前進を見た。
④はTEACでの修理に限界を感じた時に、ナカミチのデッキ購入を通じて知ったレストアのプロにモーターを含めた駆動系部品の交換とヘッドのアジマス調整をしてもらった。
⑤は巡り巡って活躍の場を得たLXV-OT6改である。
ということで、いい加減おとなしくしていればいいものを・・・でも、もう一つだけ試してみたかったことがある。アンプの比較だ。
この部屋(書斎というか寝室というか)には二つのシステムがある。一つはこの新システム、そしてもう一つはデスクトップパソコンの音声の再生用のシステムだ。
デスクトップパソコンのシステムのスピーカーはSRS-Z1改(ブラックバード号)なので、最初は専用のアンプを使っていた。ある日、片チャンネルの音が出なくなったのを電気道マイスターに修理してもらったのが昨年の1月。その際に電解コンデンサーを総とっかえしてもらう魔改造したのがその後の一連の魔改造の始まりだった。
書棚に眠っていたONTOMOのLXA-OT1を改造してもらった。電解コンデンサーはもちろん、オペアンプまで変えてみたらびっくりするほど良い音になった。それをデスクトップパソコンのアンプとして使うことになり、SRS-Z1純正アンプ改は休眠することになったのだった。
で、今回の話に戻るのだが、LXV-OT7改の代わりにLXA-OT1改を繋いだらどういう音になるのだろうというのをやってみることにした。その為にまずデスクトップパソコンのアンプをSRS-Z1純正改に戻す。
デスクトップパソコンから外したLXA-OT1改をおそるおそる繋いでみる。
音を出してみる・・・ななな、なんと・・・良い音なのだ。スケールが大きくて優しい音。
新システムの音の傾向は、「音離れが良く」、「竹を割ったような明快な」、「乾いてライブな」・・・というバックロードホーンの特徴そのものである。それはバックロードホーンを使うと決めた時から分かっていたのだが、新システムのライバルであるKS1-HQMの潤いのある優しい音を聴いた後にこちらを聴くとちょっと聴き疲れするような印象は否めない。真空管ハーモナイザーが巡り巡って新システムに使われることになったのもそこら辺の改善を目指しての事である。
軽い気持ちで繋いでみたLXA-OT1改はソリッドステート、すなわち「石」のアンプだ。それに対してLXV-OT7改は真空管とのハイブリッドアンプである。イメージ的にはLXV-OT7改の方が真空管らしい柔らかで優しい音がする筈。
ところが試しに繋いだLXA-OT1改の方が柔らかで優しい。ぱっと見がヤンキーな女の子が実は心優しい良い子だったような気持ちだ。
ということで取り敢えずはLXA-OT1改を採用・・・LXV-OT7改はどうなるのだ?
う~ん、悩ましい。