バックロードホーンのアップグレード⑤

音質的にはかなりの前進をみることができた今回のアップグレードなのだが、こもり音のような不快なピークがあることを看過することができない。
対策として冬物の靴下と製図用の錘をホーン開口部に押し込むことによって聴感的には随分と良くなったのだが、それを定量的な物理量で把握しておきたい。

ということで、いつものようにiPad mini5のアプリ「Kannon」で周波数特性を簡易的に測定してみた。音源はNORDOSTの「System Set-up &Tuning Disc」に入っているピンクノイズを使った。
スピーカーの正面にiPadをセットして「Kannon」で測定する。

測定結果:
① オリジナル

② 対策後(靴下+クジラ)

測定環境には雑多な暗騒音も存在するし、所詮はiPadのマイクで測定した結果なので厳密な比較はできないが、大きく変化したのはグラフ中に黄色の丸で囲った周波数帯。200Hzと63Hz付近の音圧が明らかに下がっている。
これがこもり音の原因と対策なのかを断定することはしないが、自動車の車室内でドライバーが不快と感じるこもり音の周波数帯と近しいものがある。

こもり音はこれである程度退治できたのだが、このグラフを比較しても分かるように低音域の音圧は下がってしまった。これをなんとかしたいものだ。ちなみに、このCD音源で聴いた限りでは57Hzが音として認識できる最も低い音だった。

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