4月から日本に戻ることになった。
会社の人事異動は感傷に浸っている暇がない。
辞令が出たらas soon as possibleで撤退である。
引越しの手配を済ませ、ほんの一瞬の時間ができたので、最後の観光に行くことにした。
行き先はメークロンの線路上市場と、ダムヌンサドアックの水上マーケットにした。
どちらも2010年8月の赴任直後に訪れたところだが、家人は行ったことがない。
最初と最後の観光先を揃えるのもなにか意味があるようなので決定。
メークロンの市場は相変わらずの盛況だった。
とても線路の上にあるとは思えない混沌の中で人々が行き交う。
売っているのは烏賊、蝦、鯵、鯰など魚介類が多い。
新鮮そうに見えるが、一切の保冷設備の無い露店での衛生管理はどうなっているのか・・・などとは誰も気にしていない。
とにかく活気があるのだ。
メークロンから20分ほどでダムヌンサドアックの水上マーケットに着いた。
こちらは典型的な観光スポット。
バンコクから観光バスで運ばれてくる白人、日本人がうろついている。
先程の線路上市場には生活の臭いがしたが、此処は作り物の賑わいだ。
如何にだまくらかしてボートに乗せるか、要りもしない土産物を買わせるかという殺気が渦巻いている。
下手をすれば金を毟り取られる。
最後の最後でタイの悪しき一面を見ることになったのは少々残念ではあるが、これもまたタイの事実である。
気分を取り直して、最後はサワディーカップ、コープンカップとワイをして締めくくろう。