メルカリで出品するカメラのどこまでを保証したいのか、そのために必要な電池をどうするのか・・・というのが電池問題の発端だった。
悩むぐらいなら実践というのが信条なので問題解決の鍵となりそうなモノをいつものようにAmazonで手配した。
で、到着したのが:
① MR-9相当のアダプター、関東カメラ製
② アルカリ電池の4LR44
の二つだ。
①はオリンパスPEN-FTの露出計のチェックに使う。
MR-9の形状のアダプターには二種類あって、電圧降下回路を有するもの。これにはSR43Wを使い、1.55vをMR-9オリジナルの1.35vに降圧する。もう一つは降圧はしないでLR44もしくはSR44を1.55vのまま使うものである。
露出計に使うのであれば当然前者であろう、ということでそちらを購入した。
極性を間違えないようにしてFTの電池室に装填する・・・ファインダーを覗くと露出計の針がしっかりと振れている。
PEN-FTの露出合わせはファインダー内の指針が示す数値にレンズ先端の絞り調節リングを回すというもの、すなわちシャッター速度優先の露出合わせということになる。もし絞り優先としたい場合はボディ前面にあるシャッター速度のノブを回せばいいのだが、あまり使い勝手が良いとは言い難い。
いずれにしても電池アダプターでPEN-FTの露出計が動作することが確認できたので安心してメルカリに出品・・・すぐに買い手が付いた。
⓶はキヤノンA-1のAE機能のチェックに使う。
「カメラロボット」と呼ばれたキヤノンA-1は、AE-1で始まったキヤノン一眼レフシリーズの大ヒットの締め括りとして1978年に登場したフル電子制御のカメラ。5つのAE機構を持ち、ファインダー内の赤色LEDがシャッター速度と絞り値を表示する究極のAE一眼レフだ。ただし、電子シャッターなので通電していないと全く使えないカメラだ。
ボディ前面の小窓を開ける電池室があり、嬉しいことに現行の4LR44が使える。
購入した4LR44を電池室に装填し、巻き上げレバーの付け根にある小さなレバーを「L」を「A」に。軍艦左側にあるバッテリーチェックボタンを押すと軍艦右側の赤色ランプが高速点滅する・・・これは「通電OK、電池残量OK」というサインだ。
早速、絞り優先、シャッター速度優先、そしてプログラムAEを試してみる。ファインダー内の赤色LEDがシャッター速度と絞り値を表示した、おおバッチリだ。
安心してメルカリに出品した・・・まだ買い手は付いていない。
もう一つの⓶はヤシカエレクトロ35CCのAE機構の動作チェックに使った。
エレクトロ35CCはシリーズの中でも小型なボディにちょっと広角な35mm f/1.8のヤシノンレンズを搭載し、絞り優先オートでの撮影が可能な電子シャッター内蔵のレンジファインダーで、「ろうそく1本の明かりで撮れる!」というキャッチコピーで大ヒットしたカメラだ。
酸化銀電池かアルカリ6V電池を使うので、現在でも入手可能な4LR44で動作させることができるという点が今となっては大きなメリットだ。
早速4LR44を電池室に装填した。
バッテリーチェックボタンを押すとフィルムカウンターのライトが点灯するはず・・・だが、点灯しない。ああ、ダメなのかと思うがそのままチェックを続ける。するとファインダー内の露出オーバー/アンダーを示す矢印が現れた、それに加えて明るいところと暗いところに向けてシャッターを押すとシャッター速度が変化することも確認できた・・・これらの現象から察するに絞り優先のAE機構はきっちりと動作しているということであろう。
ということで、ヤシカエレクトロ35CCも自信を持って出品した・・・こちらもまだ買い手は付かない。
これにて電池問題の第一段階は終了。
第二段階は電池問題のきっかけとなったヤシカエレクトロ35Gの電池問題に取り組む予定だが、そのためには現行の電池をかつてのHM-4Nという水銀電池のサイズに合わせるアダプターが必要だが入荷にはかなり時間が掛かりそうだ。