残り1.8km

夏休み中についに東京都まで戻ってきたウォーキングだが、すでに「東北本線を歩く」から「山手線を歩く」(京浜東北線でもいいが)になっている。
田端を発って「川」コースを歩いたら、西日暮里・日暮里・鶯谷・上野・御徒町を経て一日で秋葉原まで来てしまった。東京は狭い。

秋葉原といえば、大学時代に坂口電熱に実験用の熱電対を買いに来た(あまり実験の役に立たないので熱電対を買いに行かされたというのが真相だったような気もするが)のが1970年代後半で、1980年代から90年代には家電製品やオーディオ機器、カーステレオなどを知人に紹介されたサトームセン駅前2号店でよく購入したものだった。
副店長のMさんというオジサンが親切で、僕が欲しいものの候補を幾つかあげると最安値がどれで幾らなのかを教えてくれた。店に在庫がなかったり、オーディオ機器のように視聴が必要なものだったりすると、「中央通のY電器に行くと実物があるよ、見ておいで」と言われて現物を見たり聴いたり。その点では秋葉原は便利だった。
当時は秋葉原に来るということは何か一つほしいものが手に入るという事を意味していた。

あの頃はまさに「電気街」という趣きの街で、街中が活気に溢れていた。
電気街の上を山手線、京浜東北線、総武線が十文字に走り、時には高架の上を通り過ぎる特急列車なども見えたな。

電気街にあった多くの電器店は統廃合を繰り返した挙句にその殆どが姿を消してしまった。

バブルが弾けたころから雰囲気が変わり始め、2000年ごろから徐々に秋葉原はオタクの町になり下がってしまった。「電車男」は秋葉原オタク文化を描いた作品だが、既にその「電車男」も過去のものかもしれない。ネット通販で電化製品を買うのが普通になってしまったことも、人々が秋葉原に行く必然性を無くしてしまったのだろう。

かつては胸をときめかせながら降り立った秋葉原だったが、残念ながら今の秋葉原はそれほど好きな町ではなくなってしまった、というか町自体の存在感が希薄になってしまった。

秋葉原から終点の東京までは二駅で、僅かに1.8km。
今週末にゴールインは間違いないところだ。