働き者のT-4070

久し振りの帰国、空き時間にいつものオーディオ店に。

今日の獲物はオンキョーのT-4070というネットワークプレーヤー兼ネットワークチューナーである。
当然のようにぶっとい電源ケーブルも。今回はアクロリンク製。


今回の狙いはアナログFMチューナーに引退してもらい、インターネットラジオを聴けるチューナーにすること。
K-8100の音に文句はないんだけど、昨今のFM放送の内容の下落に愛想を尽かしたのである。
FMは元来、高級な音楽を高音質でというコンセプトで始まったと理解している。
番組は最小限の喋り(それも曲や演奏家の説明なんかの)で、後は中身の濃い音楽を楽しむというのが初期のFM放送だった。
ところが最近のFMは完全にAM化して、下らないパーソナリティなる輩がくだらないトークで放送時間のほとんどを費やしている。
だいたい、クラシックやジャズの放送がほとんどなくなってしまった。

ということで、日本のFM放送には見切りを付けてインターネットラジオに。
インターネットラジオはパソコンをDAC経由でアンプに繋げば聴けるけど、そんなややこしい儀式を毎回してられないし、パソコンのように電子ノイズを出しまくっているものをステレオの近傍に置くのも気持ち悪い。
その悩みの解決策が オンキョーのT-4070なのだった。

T-4070はどんなコンポーネントかというと、FM/AMを普通に聴くチューナー(この場合はアンテナ線の接続が必要)と、インターネットラジオやRADIKOなどのネット配信放送のチューナー(インターネットにつながるLAN接続が必要)と、ネットワークプレーヤー(接続されたLAN内にNASが必要)というマルチプレーヤーなのだ。

前述のように色々と繋いだり、セッティングしたりの手間はかかるが、それさえ済めばいろんなことができる。

さすがにオンキョーらしい、シンプルなというか素っ気ないデザインのただの四角い箱なんだけど。
たとえば、NHK-FMをアナログチューナーで聴いたあとはNASにリッピングしたオスカーピーターソンを聴いて、残りの時間はBBC3をBGMにしておくとか。
操作はiPadに入れたRemoteというアプリケーションで簡単にできる。
(リモコンでもできないことはないが、表示される情報に限りがあるので難しい)

肝心の音はどうかと言えば、筐体の見た目の印象とは違って結構生々しい音である。
T-4070はアナログ出力とデジタル出力の両方があるのだけれど、まずはアナログのRCA接続で聴いている。
すなわちT-4070のDACの音を聴いていることになるが、僕にとってのオンキョーのイメージは覆された。 良い方向に。
また、これは全てのネットワークプレーヤーに共通の傾向かしれないが、空間の表現が非常に良い。
楽器の定位が良く、プレイヤーの立ち位置を感じられる。
反面、CDPに比べると「音の芯」みたいなところがちょっと弱いというか、ふんわりしている。
但し、帯域は俄然広くなっているのがわかる。

一度ネットワークプレーヤーの音質と便利さを味わってしまうと、積極的にCDPを使わなくなってしまうのではないかという不安もあるんだけど、今回はほとんどK-05を聴かずにT-4070ばかりの自分が居た。

そういえば、T-4070の上に鎮座するお犬様。
知る人ぞ知るビクターのニッパー君である。
先日のSX-M7内部誤配線のお詫びにとビクターから進呈されちゃった。
これで当分はビクターでいくことが決定。

最後にもう一つ。
母親手作りの吸音ブロックである。

僕が設計し、母がガワを制作、そして家人が吸音材を詰め込んだ。
これで、コーナーにたむろするモヤモヤの低音とさようなら・・・だといいのだが。

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