2012年オーディオ道(楽)総括

2012年は僕のオーディオ人生で大きな節目の年だった。

4月に完成した新居に合わせて、それまで考えていたこと、企んでいたこと、夢見ていたことを実現するチャンスが到来。

一年の総決算としてその経緯を振り返ってみたい。

<オーディオルーム>

新たな機器を購入するのに先立ち、新居のオーディオスペース造りに頭を悩ませた。
当初は狭いながらも専用のオーディオルームをと考えたが、実際の間取りを考えると家が大きくなり過ぎることに気付いて方針を変更。2階のリビングルームをオーディオルームとの兼用とするという現実的な解決策をとった。
オーディオ機器を置く床は基材の上に響きの良いハードメープル材を敷き、重量物に耐えられるように床下にはしっかりとした梁を入れた。
また、配電盤からオーディオ電源まではオーディオグレードの電源ラインを独立配線し、壁コンセントも3Pのしっかりとしたものを付けた。
リビングの天井が吹き抜けの斜め天井であったこと、スピーカーに正対するリビングの壁をアーチ状に開放してダイニングと繋げて奥行きと段差のある空間としたことによって、結果的に定在波には悩むことが無かった。
スピーカー周りのこもり音対策としては、スピーカー真後ろに拡散ボードを取り付け、角部には三角錐の吸音材を設置した。
どうしてもライブになり過ぎるフローリングの床にはカーペットを敷き、ソファーも2つに増やすことで残響時間をコントロールすることができた。

<機器類>

新居用に最初に購入した機器はSACDプレーヤーのEsoteric K-05だった。

先代のTEAC VRDS-10には不満が無かったが、レーザーパワーが劣化してきた結果、時折読み取りが不安定になるという症状が出てきたので買い替えを決心。
欧州ブランドのAYON CD07とPRIMARE CD32のどちらかにしようといつものオーディオ店で聴き比べを行なったが、勝ち残ったのは当日のリファレンスにしたK-05。やはり僕はTEAC/EsotericのVRDSメカが好きだった。

K-05の専用電源としてCECのクリーン電源RG100を導入。
これがどれだけ効いているのかは神のみぞ知るといったところか・・・。

そのK-05であるが、祖先にあたる先代のVRDS-10とは大きく方向性の違う音造りをしている。
聴感上のSN比が非常に高く、ダイナミックレンジも広い。特に静音の静けさたるや深閑とした森に彷徨いこんだようだ。
あきらかにクラシック向きでアコースティックな楽器が良く鳴るが、結果的にジャズのピアノトリオなども独特の繊細さをもって再生する。
外観も含めて非常に生真面目なところがあり、正に日本の超精密工業製品という印象である。
K-05には旭化成製の32ビットDACが使われており、単体DACとしての機能も有している。後述のC48のDACと併せて今後の使いこなしが課題である。

次に購入したのはMcIntoshのセパレートアンプのC48とMC302。

McIntoshのアンプには強く惹かれていたので、いつかはと思っていた。
当初はプリメインのMA7000かMA2275のいずれかにしようと考えていたが、「スペースの制約がないのなら絶対にセパレート!」と強く薦められてC48とMC302を視聴。
滴るようなその音にコロリとやられてしまった。
展示品価格が非常に買い得だったこともあって購入。

俗にMcIntoshの音はウォームでライブな傾向といわれているが、K-05がその対極にある音造りなので、この組み合わせから出てくる音がお互いの個性を消しあうのか、それともお互いの足りないところを補完しあうようになるのかは今後のチューニング次第である。
McIntoshといえばブルーアイズメーターが最高に気に入っている。最近のはLED光源となったので、以前のもののような玉切れの心配は無いようだ。
灯りを落としたオーディオルームでMC302の針が振れるのを見ているだけでもワクワクする。

3番目はOnkyoのネットワークチューナーT-4070だった。

アナログチューナーのK-8100も良かったが、バリコンの経年劣化のせいかSN比が落ちてきたので買い替えることとなった。
同時に昨今のFM放送の内容のつまらなさに辟易としていたので、インターネットラジオが聴ける機種を選択。T-4070は通常のアナログ地上波のFMも聴けるし、LAN回線でのインターネットラジオも聴けるのである。結果として海外のクラシック系のインターネットラジオを聴く機会が増えた。
AUPEO!という新しい機能も持っているが、現在までのところ使いこなせてはいない。

T-4070を買って驚いたのは、そのネットワークプレーヤー機能である。
僕はデジタル派なので、いつかはLINNのDSシリーズをと考えていたのだが、T-4070の秀逸さは予想外だった。
PCでリッピングした曲はNASに蓄えられ、iPadの操作でT-4070から再生される。
その音が良いのだ。
5倍もの価格差があるK-05の再生音と比べてもひけをとらない。
というよりは、CDプレーヤーとネットワークプレーヤーは少し異なる特性を持っていることに気付いた。
芯があって骨太な音のCDプレーヤーに対してネットワークプレーヤーはすっきりとした透明感のある音で、空間の表現力が素晴らしい。
iPadでの操作性の良さもあって、最近は専らT-4070で音楽再生というスタイルになっている。
当初はT-4070内蔵のDACで聴いていたが、現在はT-4070からデジタルアウトでC48のDACを使って聴いている。

最後はスピーカーのJBL4338である。

先代のビクターSX-M7の透明で広がりのある音が気に入っていたのではあるが、新居でセッティングをしている際に片側(後に右側と判明)の内部配線の極性がおかしいことを発見、ビクターに出張修理をしてもらった。
お詫びのしるしに希少価値のあるニッパー君のマスコットまで戴いたんだけど、ニッパー君を見るたびに5年間も極性の不良に気付かずにいっぱしのオーディオ通を気取っていた自分が嫌になった。
丁度のタイミングでいつものオーディオ店にあったJBL4338に遭遇し、SX-M7を下取りに出して購入と相成った。

少し前から同じJBLのS-4700が気にはなっていたのだけど、視聴の結果は不満足。S-4700の15インチのウーハーはブーミーな感が強く、僕の好みではなかった。
そのS-4700の隣に鎮座していたのが4338だった。
一格上の佇まいとJBLのモニタースピーカー伝統の青いバッフルに魅力を感じたが、アンプを購入した直後でもあり、その時は購入を自重した。
この4338、左右のバッフルの色調が合っていない(普通の人にはわからない程度)ために輸入元のハーマンからNG品扱いとなっていることを後に聞いた。
従い、現品の販売価格も非常に買い得感のあるものとなっていた。
何度目かに会合したときに天からの声(が聞こえたような気がした)。
思い切って購入した。
実はこの4338、一度は売買契約が成立していたらしいのだが、購入予定者の部屋に納まりきれずに売れ残っていたのである。数奇な運命の後に、僕のところに来るべくして来たと考えよう。

海外駐在員の悲しさ、4338が納入されてからまだ3日あまりしか聴いていない。
セッティングの難しいスピーカーであることが判ったのみであるが、そのポテンシャルの高さも併せて感じた。
これから性根を据えて向かい合っていこうとニッパー君に誓ったのだった。

<その他>

大物機器の導入に際して、電源系・信号系のケーブルやタップについてもそれなりの投資をしてきた。
その中の愁眉が、山本音響工芸の木製ラックである。
赤味を帯びた桜材のラックだが、「ラックも機器、いや楽器である」と言っておきたい。

以上が2012年の総括である。
「聴く前に跳べ!」
を実践した一年であった。

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