シェル、リードワイヤ、カートリッジ、スタイラス各分野の役者が揃い、それらの組み合わせを作製・試聴してみた。
その結果を分かりやすく整理・比較してみる。
<1:M44Gオリジナル>
テクニクスヘッドシェル
シェル付属のリードワイヤ
M44G
オリジナルスタイラス
写実的 〇〇〇●〇 叙情的
繊細 〇〇〇●〇 図太い
COOL 〇〇〇〇● WARM
DRY 〇〇〇●〇 WET
落ち着きがある 〇〇〇●〇 元気がある
シャープ 〇〇〇●〇 ふくよか
高域重視 〇〇〇●〇 低域重視
<1a:M44G黒柿(-5)>
テクニクスヘッドシェル
シェル付属のリードワイヤ
M44G
黒柿スタイラス
写実的 〇〇〇●〇 叙情的
繊細 〇〇●〇〇 図太い
COOL 〇〇〇●〇 WARM
DRY 〇〇〇●〇 WET
落ち着きがある 〇〇●〇〇 元気がある
シャープ 〇〇●〇〇 ふくよか
高域重視 〇〇●〇〇 低域重視
<2a:M44G黒檀(-3)>
黒檀シェル
シェルにはんだ付けされた6N銅線リードワイヤ
M44G(黒檀ハウジング)
オリジナルスタイラス
写実的 〇〇〇●〇 叙情的
繊細 〇〇●〇〇 図太い
COOL 〇〇〇●〇 WARM
DRY 〇〇〇●〇 WET
落ち着きがある 〇〇●〇〇 元気がある
シャープ 〇〇〇●〇 ふくよか
高域重視 〇〇〇●〇 低域重視
<2:M44G Woody(黒檀+黒柿)(-5)>
黒檀シェル
シェルにはんだ付けされた6N銅線リードワイヤ
M44G(黒檀ハウジング)
黒柿スタイラス
写実的 〇〇〇●〇 叙情的
繊細 〇●〇〇〇 図太い
COOL 〇〇〇●〇 WARM
DRY 〇〇〇●〇 WET
落ち着きがある 〇●〇〇〇 元気がある
シャープ 〇〇〇●〇 ふくよか
高域重視 〇〇〇●〇 低域重視
ここまで書いて分かったことを整理してみる。
黒檀シェルとハウジングの効果:繊細、COOL、落ち着き
黒柿スタイラスの効果:繊細、COOL、落ち着き、シャープ、高域
ということになり、両者の効果は同様の方向性であることが分かる。金属や樹脂の素材を木という天然素材に置き換える効果としては直感的に納得できる。
また「COOL」の方向に行くという傾向については、もともとM44Gの性格がとても「WARM」であるところを起点とした変化であり、絶対値としては「WARM」側であることに変わりはない。
シェルとハウジングの黒檀化によって「天然素材テースト」があるレベルまで到達しているところに黒柿スタイラスが品格をプラスしたということなのだろう。
仮に比較表の右側を(+)として換算すると、組み合わせにもよるのだが
黒檀シェルとハウジングの効果は(0)~(-3)
黒柿スタイラスの効果は(-2)~(-5)
となり、若干黒柿スタイラスの効果の方が大きい。これもカートリッジの構造から考えると当然のことだろう。むしろ、シェルとハウジングの黒檀化が予想以上に「効いた」ともいえる。ただし、黒檀シェルには太い6N銅線が直付け(はんだ付け)されていることももちろん影響している。
ここまでの流れとして常用するのは2号機となりそうだ。この際「M44G Woody」と命名しよう。
ジャンルや盤の状態、その時のこちらの調子などによって1号機や、その派生も楽しんでいきたい。