カートリッジ対決

SL-1200GAEの納品は今月末から始まるようだ。
僕の1200GAEがいつ納品されるのかはまだ不明だが、その日に備えて必要なものを準備しておかなければなるまい。レコードそのものは50枚余りが手元に戻ってきたので、あとはクリーニングを地道にしていけばよい。
そうなると、残りはカートリッジ、ヘッドシェル、フォノケーブル、スタビライザーといったところだろうか。その中でも音質に一番影響があるのはカートリッジだ。昔の言い方だと「レコード針」ということになる。
我が家のプリアンプC-48にはMCカートリッジが使えるフォノイコライザーがあり、なかなか評判が良いのでSL-1200GAEはMCカートリッジから始めることにして、今日はそれを選ぶことにした。

候補となる製品は以下の3つだ。
①オーディオテクニカ AT33Sa
②オルトフォン MC-Q30
③フェーズメーション PP-300
いずれも近年人気のMCカートリッジで、専門誌での評価を読むだけでは甲乙はつけがたい。かといって最初からいくつもカートリッジを備えるつもりはないのでこの中から一つを選ぶつもりだ。
ということで、いつものオーディオショップに前々から比較視聴の準備をお願いしておいた。

比較視聴に使う音源はジャズが2枚とクラシックが1枚。
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「Waltz for Debby(Bill Evans Trio)」
「Red Garland at the Prelude(Red Garland Trio)」
「Bach Goldberg Variations(Glenn Gould)」
Red Garlandだけが古いレコードで、残りの2枚は最近ネットで購入した新品、本日初めて針を落とすものだ。本当は、これらに加えて交響曲もあったほうが良いのだろうが、手持ちに無いので今日はこの3枚で決着を付けることにした。

午前11時前からの1時間ほど、視聴室を占有して聴かせてもらった。
今日のアナログプレーヤーはラックスマンのPD-171A、フォノイコライザーはフェーズメーションのEA-200、プリメインアンプがラックスマンのL-550LX-Ⅱ、スピーカーはモニターオディオのPL-200Ⅱである。
我が家のシステムとはかなり趣きの異なる機器の組み合わせだが、カートリッジの聴き比べには問題ないだろうということで視聴をスタート。

以下が3機種の感想だ。
①AT-33Sa
at33sa
解像度が高く、明晰な音、線は細い。どちらかと言うと冷たい雰囲気の音。
演じている楽器の音数は多く感じるが、ピアノトリオではシンバルが非常にシャープに聴こえるが故にピアノとベースが若干奥に引っ込んだ感じになる。
アタックの場面では音が飽和する傾向がある。

②MC-Q30
mcq30
骨太な音。暖色系の音。
音数は少ないが、塊(かたまり)感があって迫力を感じる。
AT33Saに比べると格調高い音。

③PP-300
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まろやかで暖色系の音。
バランスがよく整った音。
ピアノトリオのピアノ、ドラム、ベースがそれぞれよく聴こえる。
ベースの音が細くならない。
グールドのピアノも3者の中では最も楽しげに聴こえる。
MC-Q30よりも更に格調高い音。芸術性が高いとも言える。

ということで勝者はフェーズメーションのPP-300と相成った。
視聴前は迷うかなと思ったけど、今日の機器と音源では圧倒的な勝負であった。