9月に道東を旅したばかりだが、マイルもまだまだ余っているし雪もまだ大丈夫そうなのでまたまた北海道に行くことにした。
今回も未踏の海岸線を攻めることにしたが、今のところ道南にはあまり食指が動かないので日高地方を周ることにした。旅の出発点はとかち帯広空港で終点は新千歳空港、日高山脈の両側の海岸線をぐるっと時計方向に周るルートである。
元々自分の頭の中にあった日高地方のイメージに旅の前に調べた事を足すと、今回の旅のポイントとなるのは、「黄金道路」、「襟裳岬」、「生ししゃも」、「恵庭渓谷」、「支笏湖」といったところだろうか。道東ほど未開の地ではないだろうが山深い日高山脈が太平洋に突き刺さるような様はそれなりに良いのではないかと期待してのルート選択だ。
ただ、事前にあまり大きな期待を持って行ってみても、大したことのない景観だったり、天気が悪かったり、がさつな外国人観光客に蹂躙されていたりなど期待を裏切ることが起こるのも旅なので、いつもの北海道旅行よりはちょっと醒めたテンションで旅に臨むことにしたのだった。
とかち帯広空港行きのJALは7時40分発なので5時半に家を出た。
早朝の首都高速道路は流れも良く、6時半前には予定通りに羽田空港のP2に到着。今回はきちんと車を停めた場所を紙に書き留めておいた。
定刻に羽田を発った飛行機は9時過ぎにとかち帯広空港に到着、滑走路脇には雪がちらほらと見えるが飛行機を降り立ってみれば晴天でポカポカとした陽気だった。
今回のレンタカーはメルセデスのGLA250 4MATICである。先月借りたGLA180と同じボディの車だが、倍近いエンジン出力とフルタイム四輪駆動の組み合わせに期待である。
レンタカー屋で車を借り出し、早速アクションカメラの取り付けと配線、音楽データの入ったUSBをセット、携帯のレーダー警報アプリも起動していざ出発だ。
空港を出るとすぐに北海道らしい景観となる。広々とした畑、この季節ならではの紅葉した針葉樹、そして遠くには十勝山脈の蒼い山並みが見える。
早くも北海道気分は全開だ。
とりあえずの目的地は大樹町のセイコーマート、いつものように此処で昼食と飲み物などを調達したら最初の観光ポイントの黄金道路を目指す。
この黄金道路という名称、きっと光り輝く夕景などがその名の由来かと思いきや、そうではなくて難工事に湯水のように資金が掛かったが故の「黄金」だったのだ。
ところどころ、海の間際を走る旧道と新たに作られた新道が並行する造りになっている。広尾を過ぎてからトンネルを出たり入ったり、かと思うと旧道と新道が分岐して合流しての繰り返しなので適当なところに車を停めてみた。
本来であれば太平洋から打ち寄せる波の高さと激しさで印象的らしいのだが、本日は大変穏やかな天気で風も無く、波も低い。まあ、こんな日もあるのだろう。
と、ちょっと期待外れの黄金道路を南に進むと襟裳岬が近付いてきた。岬に近付くにつれて少しずつ標高が上がり、たおやかな丘陵地帯となってきた。
前方に見えるいくつかのドームは天文台と思いきや自衛隊の施設のようだ。
襟裳岬に着いた。
此処は年中強風の場所と聞いていたが今日はほぼ無風である。平日のせいか、岬の駐車場に一軒しかない「えりも岬観光センター」も人影はまばらだ。トイレを済ませて岬の先端に向かう。
襟裳岬の先端は日高山脈の先端がそのまま海に没していくような、ゴジラの背中のような岩がゴツゴツと水面に顔を出している。
今日は観光客もほとんど居ないので撮影ポイントも独り占め状態。
岬の灯台の周囲には熊笹が茂っている。
先端の高台から北西の襟裳国道の方向には同じような断崖が続き、その先には日高山脈の山々が青々と見える。この風景、どこかで見たような・・・ヨーロッパの西端のロカ岬の眺めと似ているんだな~。
車の中でセイコーマートで買い求めたサンドイッチとおにぎりを食したら出発だ。
今日の宿はアポイ岳の麓にあるアポイ山荘だ。
黄金道路のある東側に比べると穏やかな様相の襟裳国道を北上していく。襟裳国道を右折し、アポイ岳方向に進むとすぐにアポイ山荘はある。
まだチェックインには少し早いので、山荘の前を通り過ぎて山道を登っていく。既に紅葉の盛りは過ぎ去り、遠くから見れば暖色に色づいた森も近寄ってみると枯れ葉が積もっている。
その中で奇跡的に鮮やかに色づいたままの紅葉を発見した。北海道では今年最後の紅葉かな。
どこまで進んでも枯れ木のままなので途中でUターンしてアポイ山荘に16時過ぎに到着。
大浴場で紫色に染まる夕焼けを楽しんだら夕食に。
夕食は「海鮮攻め」ではなく、地元の魚、お米、肉とバランスの良いものだった。
サッポロクラシックの生が美味い!