2018早春の鹿児島②

温泉のある宿に泊まった時は必ず朝食前にも入浴することにしている。
露天風呂からは朝日に色付く大隅半島の山並みを錦江湾越しに見ることができた。

バイキング方式の朝食をバッチリ摂って出発の準備を。フロントガラスの吸盤にアクションカメラを取り付け、リモコン代わりSO-02FとWifiで接続したら出発だ。
最初の計画では指宿市内の山川港から対岸の根占港にフェリーで渡り、錦江湾を反時計回りで鹿児島まで走るつもりだったが、湾口を横切る「フェリーなんきゅう」は強風での欠航が多く、今回のルートとしては見送った。
よって、本日の車での移動は錦江湾の西岸を鹿児島市までという短い距離だ。その代わりに鹿児島市内での観光に時間を掛けようという計画である。
既に決めてあるのは鹿児島水族館横の水路で行なわれるイルカのショーと島津家の邸宅であった仙厳園、これに加えて市内一番の繁華街である天文館や鹿児島の象徴の西郷どんの銅像、更に余裕があればフェリーで対岸の桜島などなど。
イルカのショーは11時半に始まる予定なので11時過ぎにはドルフィンポートの駐車場に到着したい。旭川や釧路、網走などと違って鹿児島市内は渋滞する。11時15分にドルフィンポートに到着、カメラを抱えて水族館方面に急いだ。
この辺りはウォーターフロントパークとも呼ばれる景観の良い公園だ。雰囲気的には横浜のみなとみらいに似ている。

駐車場から5分ほど早足で歩くと丁度タイミング良く「青空イルカウォッチング」が始まるところだった。今日の出演者はベテランのラスター(27歳オス)とカール(10歳メス)の2頭だがラスターは全ての技を会得しているらしい、凄い。
インストラクターの合図に従って様々なアクションを演じる。基本的にはジャンプ技が多いのだが、2頭がシンクロした跳躍、ヒネリを加えたジャンプ、とにかくイルカの運動能力はビックリするほど高い。

そして圧巻は空中での一回転付のジャンプだった。

イルカ達に別れを告げて桜島フェリー乗り場に。
このフェリー、24時間運航で片道160円、完全に市民の「足」である。通勤、通学、買い物などになくてはならない存在のようだ。よく考えたら、我が家の近くのバス停から辻堂駅に行くより安いではないか・・・
出航時刻なども気にする必要は無い。常に何艘かのフェリーが絶え間なく海峡を行き来している。

水族館横の水路を抜けてフェリーは錦江湾に。前方の桜島との間には海以外なにも遮るものはない。

できればフェリー船中の名物ともいえるうどんを食したかったのだが、食べるのが遅い家人に却下された。それぐらい鹿児島市街と桜島は近いのだ。
フェリーはほどなく桜島に到着、此処で料金160円也を支払い上陸した。

フェリーターミナルから歩いて「道の駅桜島」を目指す。あるにはあったが食堂は満員で順番待ちなので諦め桜島名産のみかん味のソフトクリームを食す。
間際まで近付き過ぎると桜島の山容が見え難いことを実感した。
やってるんだか潰れてるんだかわからないパチンコ屋の横を通ってフェリーターミナルに戻る。

ちょうどよく出航間際のフェリーに乗船、鹿児島を目指す。桜島の滞在時間は30分足らず・・・
フェリーのデッキから鹿児島の市街地を見る。小高い山、あれが西郷どん最期の地である城山であろう、そして本日の宿の城山観光ホテルがどでーんと構えている。

桜島で昼食を摂り損ねたのでドルフィンポートで済ませることにした。事前に調べておいた人気の回転鮨は凄い行列なのでNG、結局行き着いたのは鹿児島ラーメンの店だった。基本のとんこつ味
と桜島の火山を模した辛味噌味を頼んだ、どちらも美味しかった。

満腹になったのでドルフィンポートを出発。目指すは仙厳園だが、とても近いことが分かった。でもしっかり渋滞した。

海岸沿いに走る日豊本線の脇に仙厳園はあった。ここは世界文化遺産への登録も決まったという一大観光地である。大型バスを含め駐車場には車がぎっしり、勿論中国の方々も目一杯である。
クレジットカードで入場券を求め、中に入ると反射炉が鎮座する・・・から始まって約2時間、庭園やお殿様の御殿、土産物屋、木々の緑や可憐な花々、そして海を挟んでの桜島の眺めなど見どころ満載である。
気に入ったところなどをポツポツと。
庭園を見下ろす山を彩る緑と春の花。

このコントラストが素晴らしい。

ぐぐっと迫りくる桜島。

ピンク鮮やかな「ハヤトミツバツツジ」。

海路での(密)貿易が盛んだった薩摩藩らしい南蛮渡来の洋食器と薩摩切子。

またまた桜島。

「足が棒になる」とは正にこのことであった。数日前からの腰痛に悲鳴を上げそうになりながらも尚古集成館も見学、いや~疲れた。でも良かったなぁ。江戸末期の雰囲気を強く感じる2時間だった。

午後4時過ぎに仙厳園を出発、本日の宿、城山観光ホテルを目指す。此処も近いがしっかり渋滞した上に道に迷った(涙)。
宿泊客用の地下駐車場に車を停め、迷路のような構造のホテルの中を彷徨い17時に部屋に到着。桜島がばっちり見えるツインルームだった。
茜色に染まる桜島。

夕食までに名湯「さつま乃湯」に。此処は標高108mにあり、地下1000mから湧き上がる湯に浸かりつつ桜島を愛でる。すると、タイミングよく噴火のサービスまであった。(灰を被った桜島の皆さん、申し訳ありません)

夕焼けに赤く染まる鹿児島の市街地も綺麗だなぁ。

レストランではホテル内醸造のビールでスタート、そして「薩摩会席」をいただき、〆はまたしても焼酎。今日は千代香がなかったので知覧と頴娃のものをそれぞれお湯割で。美味かった。

本日の移動距離70km。