前席のスピーカーをカロッツェリアに置き換えたXVであるが、このスピーカーの本領を発揮させるには「もう一撫で」が必要だ。
位相の確認(ツイーターはパイオニアの指示通りに逆相接続にしてある)は勿論のこと、周波数特性の最適化である。
高性能ではあるが純正のスピーカーとはF特(周波数特性)は当然異なる。純正のスピーカーとディーラーオプションのヘッドユニット(カーナビ)がどこまで音を作り込んでいるかは不明だが、このヘッドユニット、パナソニックのCN-R300SDにはグラフィックイコライザーがついているので、それを最大限に活用することにする。
グライコがあってもF特の測定ができなければ最適化はできない。そこでiPad用のアプリも準備した。
このアプリ、周波数特性の測定もし易いし、画面をスナップショットとしてiPadに保存する機能があるので非常に便利だ。
測定のためにはピンクノイズの発生が必要だが、それに関しては家のオーディオのキャリブレーションに使っているNORDOSTのCDがある。
と、ここまで揃ったところで測定を行なう。車両の状態はアイドル状態でエアコンはON。これが測定結果だ。
この結果を元にイコライザーで最適化を行なう。とはいっても取り敢えずはF特がフラットに近づくように調整を行なう。
これでほぼフラットな状態である。実はグライコにも「FLAT」というのがあるのだが、それはあくまでも出力特性をフラットにしただけで、そこから先のアコースティックの影響やスピーカーのF特までは考慮されていない。なので、今回のこの調整は非常に意味がある。
停車状態でF特を調整したのだが、実際に走行している状態ではどうなっているのだろうと測定したのがこれ。
100Hz以下の音域のゲインが非常に大きい。停車中との主な差は二つ、一つはエンジン回転数の差によるもの、もう一つはサスペンションを介して侵入してくる路面入力である。周波数が低いところのゲインが大幅に増えているので後者が主原因であることが想像できる。
この結果を正としてグライコを調整すると、当たり前ではあるが低音を大幅に抑制することになる。聴感的にもか細くて頼りない音になるのでこれはやめた。
では「EQ1」にすれば良いということになるのだが、「EQ1」はマイナス側の調整が多い結果、少し「痩せた」音になってしまっている。
ということで、「EQ1」の全ての音域に「+2dB」した「EQ3」を作り出した。
おぉ~、良いではないか!
これまでグライコ上の見た目だけで作っていたものは所謂「ドンシャリ」だったのだが、「EQ3」はスッキリしていて迫力もある。音が聴き取りやすい。
これでカロッツェリアの実力も発揮できようというものだ。
次なる段階では「EQ3」をベースに「ふたこぶラクダ」と呼ばれるF特チューニング(オーディオ・オタクではちょっと知られた)にも挑戦してみよう。
一通りの作業が終わって効果確認も含めて町内を一周。すると近所の公園で夏祭りをやっていた。
昨年はウォーキングの帰り道だったので生ビールをその場で味わった覚えがある。今年は車だったので、コンビニの駐車場に車を停めて公園に。300円の生ビールをこぼさぬように家まで慎重に運転。
めでたく乾杯となったのだった。