掘り出し物

ベートーヴェンの後期ピアノソナタについてはいくつかの手持ちの音源があるが、その中でも一番気に入っているのがバックハウスの弾くもの。しかしながら、今は亡き横浜ダイエーの4階にあったレコファンで入手したLondon盤(日本のキングレコード盤)は演奏は素晴らしいんだけどレコード盤の状態が非常に悪い。ノイズがパチパチで如何に心頭滅却しても音楽に聴き入ることができない。

ということで前々から状態の良いLondon盤もしくはその大元のDecca盤を探していた。ヤフオク、メルカリだけでなく海外のオークションサイトも時々覗いたりしていたのだがなかなかこれというものに巡り合えなかった。
そんなある日、新品で買えるわけはないのだがAmazonの「欲しいものリスト」を何気なく見たらあった。中古だけど程度は良いという。価格は大変リーズナブル。出品者のコメントにも共感するところがあったのでポチってみた。

バックハウスのベートーヴェン
ピアノソナタ全集

欲しいのは後期ピアノソナタの3曲なんだけど、値段も安いのでいいかと思って買った10枚組のピアノソナタ全集。キングレコード製のLondonレーベル盤だ。

これが良い!
ノイズから解放されただけでなく、素晴らしい音質なのだ。こういう事に関しては一言も二言もあるマニアが多いのであまり書きたくはないのだが、London盤のピアノは響き、左手の音の太さが素晴らしく良い。グラモフォン盤より明らかに良い・・・と僕は思う。
盤質だけでなく、箱も抄本のコンディションも良い。果たしてどういう歴史があるのだろうか。ワンオーナーで大事に保管されていたのだろう。
そんなピアノソナタ全集を日に1枚ずつ大切に聴き進めているここ数日だ。