Red BullじゃなくてRed Persimmon①

我が家の名器M44G Woodyを作る時のキーパーツとなったのは、Silverheartの黒檀製カートリッジハウジングと山本音響工芸の黒檀製ヘッドシェルだった。
「Woody」と命名されるようにこれらの木製パーツが定番カートリッジM44Gに新たな命を与えたといっても過言ではないだろう。
シュアーのMMカートリッジの最高峰といえばV15 TypeⅢではあるが、このM44G Woodyにはある意味V15 TypeⅢを上回る「味」を垣間見るのである。

そして我が家のシュアーMMカートリッジ群に最後に加わったのがM44-7だった。手に入れて聴いてみるまでは「若さだけが取り柄の粗暴な末っ子」みたいに思っていたのだったが、ひとたびその音を聴くや大物のドラフトルーキーであることにびっくりした。

話が長くなってしまったが、今回はこのM44-7の素質を更に大きく開花させる話である。冒頭の話の続きになるが最近になって件のSilverheartから「L.angle」というM44専用アルミ一体ヘッドシェルが出てきた。ヘッドシェルの上面にねじ止めされる板にも「黒檀」「ブビンガ」そして「アクリル」の三種類がある。それぞれに組み合わされるリード線材も三種類。赤アクリルのヘッドシェルとJICOの牛殺を組み合わせれば「Red Bull」だという。
黒檀はM44Gで使ってその効果の大きさを知ってはいるが同じでは面白くない、そもそも今回はM44-7を使うのでその性格・特徴に合ったものをと考えた結果、赤アクリル+オーグラインPTFE被覆単線にすることにした。
手持ちのM44-7を改造するという手もあるが、オリジナルとの比較もしたいということでメルカリで別の個体を入手。随分と年季の入った箱入りのメキシコ製M44-7だった。

メルカリで手に入れたM44-7

その後の紆余曲折があり、こちらをそのままの状態で使い、今まで使っていたM44-7の方を改造してL.angleに取り付けることにした。
Woodyの時と同じようにカートリッジのハウジングに接着されているカートリッジ本体を取り出す。何の変哲もない黒い箱だ。

M44-7カートリッジ本体

これをL.angleに接着するだけだ。輪ゴムで縛って一晩待つのだ。

接着したら一晩待つ