マイカーの軌跡 ⑥

(SUV全盛期)CX-5、XV、GLA

ロードスターまできたところで前回の「マイカーの軌跡」は終わっていた。
あれから2年半余り、さすがに車の乗換えの財力もエネルギーも枯渇してきたか・・・いやいやまだ頑張るぞ〜ということで続編をば。

ロードスターの次なる車との出会いは今までの乗換えとはちょっと動機が異なった。娘のところの乗換えがきっかけだった。
婿さんも車好きでスバルのXVを大事に乗ってきたのだが、関西への転勤もあって長距離ドライブの機会が増えた。
ならば長距離をさらに快適、安全そして経済的にということで選んだのがマツダのCX-5。ここ数年、マツダの屋台骨を支えている車である。

マツダ CX-5

もちろんディーゼルの四駆である、第2世代となってADASも進化著しい。
心臓部である2.2LのSKYACTIVE-Dは先代からのモディファイだと思われるが名機ともいえる傑作だ。ガソリンと圧縮比が同一というのはなかなか思い切った発想、ガソリンエンジンとしてはちょっと高圧縮比だし、ディーゼルエンジンとしては少し物足りない圧縮比だと思う。
そんな懸念も走ってみれば目からウロコ、低圧縮比高過給のディーゼルエンジンは静かで且つ力強い。大きめの車体を軽々と加速させる。マツダ独自技術のベクタリングコントロールと相まってワインディングロードもキビキビと走る。
燃費に関して言えば全般的には良いのだが、90km/h辺りをピークにそれ以上の車速域では徐々に燃費は悪化していく。空力のせいなのか、それとも常用域重視のチューニングなのか、この辺は明らかに欧州車とは異なるところだ。CX-5も欧州向けは異なるチューニングなのかもしれないが。

藤沢のディーラーから納車されたCX-5を明石まで陸送し、帰路はスバルXVで。
XVの変速機はCVTである。このCVT、車速とエンジン回転数がリニアではない点で違和感を覚えることもあるのだが市街地から高速道路までカバーできる広い減速比のおかげで燃費が良い。軽油とガソリンの単価の違いはあるが燃費の絶対値ではCX-5に引けをとらないのが素晴らしい。
見方を変えればCX-5の高速域の燃費が今ひとつということでもあるのだが。
120km/h規制区間もある新東名高速道路で明石まで行くとCX-5では17km/L前後なのだが、同じ区間をBMW320dだと20km/L超えと明らかな差が生じる。この辺が欧州車と国産車の味付けの違いなのだろうか。

BMW320dは20km/L超え

CX-5の燃費の話ばかりになってしまったが、CX-5の代替として引取ったXVが殊の外良かった。
玄人好みの良さとでも言おうか、際立った性能は無いのだがバランスの良さで唸らせるものがある。
特にパッケージングが素晴らしい。この全長、全幅、全高の中でできる最高のものではないだろうか。人は快適、荷物も楽々、開放的で死角の少ない視認性等など。
このパッケージングの良さとスバルご自慢の四駆システムで道路も用途も選ばない高いバーサティリティがある。SUVの良さ全開というところだ。

スバル XV

久々の中古車(僕から見ればの話)であることもあってDIYも堪能できた。
数あるDIYの中でも大物のDIYといえば、下地作りからやったガラスコーティングと全スピーカーの交換だろうか。いずれもDIYそのものを楽しめたし、結果のコストパフォーマンスも満足だった。
DIYと呼べるかどうかは疑問だが、バンパーの疵の補修とそれに伴う塗装ではYouTubeを通じてその道の達人に教えを請うたりして何回もやり直した結果は今までのDIYにはないものだった。
こうして車を弄って楽しんだのは1980年頃のジェミニ以来であった。

何回も何回も塗装

そんな愛着を感じたXVも仕事からの引退を機に手放すことにした。折からのSUVブームもあって婿さんから引き継いだ時の査定価格よりもかなり高価に売却(下取り)されたXV、最後まで孝行息子のような存在だった。

2015年から6年乗ったBMW320dとこのXVを2台まとめて下取りに出し、乗り換えたのがメルセデスのGLA200d。
僕はやっぱりドイツ車が好きなのだった。
前述したようにGLAにたどり着く過程にはXVの影響が大きかった。言い換えれば「XVの特性を持ったメルセデス」が欲しかったということである。

メルセデス GLA200d

コロナウィルスによるロックダウンや世界的な半導体不足もあってか、注文から納車まで実に8ヶ月を要したGLAはまだ乗り始めたばかりでその得失を語るところまでには至っていないのだが、意外にも様々な側面でメリハリのある車で、僕の持つメルセデス像とは異質な車であることを感じる。
無難さより個性を優先した印象、名作なのか駄作であるのかのどちらからしい。

もう少しの間、僕のマイカー軌跡は続きそうだ。