V-8030S受け入れ準備・・・ケーブル選び(予選)

9月にティアック修理センターに入院したV-8030Sだが、ようやく退院のお知らせが着た。長い入院だったなぁ・・・修理代金は即刻払い込んだので数日中には送られてくるだろう。

で、早速V-8030Sの受け入れ準備である。
ラックの中のスペースは確保してあるが、録音・再生に使うRCAケーブルをどうするかというのを真面目に考えてみることにした。
ということで現在手持ちのRCAケーブルの中からV-8030Sに最も相応しいものを選ぶ予選会を開催した。

当初の計画ではV-8030Sが帰還してから録音済のテープを再生して優劣を決めようと思っていたが、それを待つ間にもう少しSN比の高い音源を使って比較視聴して本命・対抗ぐらいに絞り込んでおこうということにした。
音源としてはNASに蓄えられたFLAC音源をOppo Sonica DACのネットワーク再生機能をで再生することにした。現在Sonica DACとプリアンプの間には真空管ハーモナイザーを噛ましてあるので、真空管ハーモナイザーとプリアンプ間のRCAケーブルを差し替えながら比較視聴することにした。

比較視聴した曲は以下の通り。

 Waltz for Debby (Bill Evans Trio)
 ゴールドベルク変奏曲 (クレン・グールド 1981年録音)
 梅雨のあとさき(さだまさし)
 You Look Good to Me (Oscar Peterson Trio)
 Fragile (Kenny Barron Trio)

iPadでSonica DACを操作しながらケーブルを差し替えながらの視聴だったが、ネットワーク再生なので効率よく行うことができた。

エントリーしたケーブルとその結果の概要。

① ACOUSTIC REVIVE LINE-R-tripleC-FM

Amazonの購入履歴を見ると2017年3月に購入している。MCカートリッジの昇圧トランス(Partridge TK-2220)とプリアンプ間に使っていたようだ。昇圧トランス自体を使わなくなったので眠っていた。

<結果>
当然だが、最新の素材を用いていることもあって現代的でSN比の高い音である。
芯があって、伸びやかで、広がり・奥行きもある聡明な音。
総評・・・現代的な中にも抒情性の高い表現が光る。

ACOUSTIC REVIVE
LINE-1.0R-tripleC-FM

② SAEC PC-Triple C SL1980

2018年の秋ごろに購入。現在も真空管ハーモナイザーの前後用として使っている。

<結果>
余裕のある音。
SN比が高く写実的だがピアノなどの楽器はよく唄い、人の声はリアルで華麗な音。
総評・・・艶のある現代的な音。基準値となるニュートラルな音。

SAEC PC-Triple C
SL1980

③ TARA Labs Prism

これは古い。2006年のことだからオーディオ熱が来る前に購入した。最初は多分CDプレーヤー用だったのだと思うが、V-8030Sをオークションで入手してからはその再生用として使用していた。

<結果>
SN比はやや劣るものの、とげとげしさが無く優しい音。
包み込まれるような、たおやかでアンサンブルの美しさを感じる音。
少し引っ込んだ感はあるが、ガツガツせずに枯れた味わい。
総括・・・SN比はやや劣るがアナログ的な良さを感じる暖色系の音。

TARA Labs Prism

④ BELDEN 8412

これまた古い。何の用途かは忘れたがプロケーブルというところから入手した記憶がある。安価だった。

<結果>
明るく歯切れの良い音。
SN比が高く写実的だが、全般的に小振り。
総評・・・物理特性に優れたコストパフォーマンスの高い音。

BELDEN 8412

⑤ BELDEN 88760

これはDA-3000を導入する際に録音用として2017年に購入した。これまた大変安価だった。

<結果>
爽やかでまとまりの良い音。
SN比は高いがちょっと平板的。
総評・・・SN比が高くコストパフォーマンスに優れる。やや硬質で平板的。

BELDEN 88760
比較視聴結果

視聴前は設計・製造時期が新しいアコースティック・リバイブもしくはサエクのケーブルが優勢と思っていた。価格的にもこの二つが並んで高い。(というか、他が安い)しかしながらとっかえひっかえ聴いた結果は、なんと古参のタララボが前述の二つよりも良かった。この「良かった」はケーブル性能としての絶対値ではなくて、V-8030S用としてという観点での話だ。
僅差の2位はアコースティック・リバイブで3位はサエク。奇しくもこの二つはTriple-Cという導体(PCOCCの後継といわれる導体)で音色も似た方向だった。4位と5位にはベルデンとなったが、この二つは如何にプロ用機材によく用いられているとはいえ、価格的も破格に安いので比較されるのは酷だったかもしれない。

ということで、V-8030Sの再生用には「TARA Labs Prism」が、そして録音用には「ACOUSTIC REVIVE LINE-R-tripleC-FM」というのが予選の結論。
V-8030Sが帰ってきたら、この2本を録再で使い分けながらどっちがどっちを決めたいと思っている。録音・再生で逆の使い方になるかもしれないが、アコースティック・リバイブはどちらの用途にも不安はないが、タララボを録音用に使うのはあまり賢くない選択のように思える。

V-8030Sの帰還が待ち遠しい。