ちょっと落ち着いてメインのシステムを見渡してみるとDACが沢山ある。
CDプレーヤーのK-05、ネットワークプレイヤーのNA-11S1、単品DACのSonica DAC、同じくBrooklyn DAC+、更に付け加えるとプリアンプのC-48にもDACは内蔵されている。
現在の役割分担だが、K-05とNA-11S1はそれぞれの機器の音源用として、Sonica DACは映像系の音声用に、そしてBrooklyn DAC+はPCオーディオ用として使われている。これらは何年かの紆余曲折・変遷を経て今に至るという感じである。とはいえ、周期的に役割分担の見直しは行われているのである。
勿論、全てにおいて他を凌駕する性能のDACがあればそれに集約されるのだろうが、そうはならないところがデジタルオーディオの面白いところだ。また、レイアウト的な制約や使い勝手なども重要なファクターである。
とはいえ、これだけのDACが勢揃いしていると優劣をつけてみたいというのが人情であろう・・・ということで、今更だけどやってみた。
音源や接続方法も色々考えられるのだが、今回はPC上のFoobar2000からのUSB接続に条件を固定した。比較に使われる曲は以下の3曲。
① Waltz for Debby (Bill Evans Trio)
② Dang Dang (松任谷由実)
③ シューベルトピアノ五重奏曲「ます」 (Andras Schiff)
で、一つずつ聴き比べた感想である。
<Esoteric K-05(DAC: 旭化成 AK4392)>
① Waltz for Debby:(7.25点)ライブハウスの臨場感を感じさせる。ベースの鳴りの力強さはそこそこだが、滑らかで優しい音。
② Dang Dang:(7.25点)生々しい声。少し硬質ではあるが、メリハリのある切れの良い音。
③ シューベルト「ます」:(7.5点)鮮烈でメリハリのある音。
<Marantz NA-11S1(DAC:バーブラウン DSD1792A)>
① Waltz for Debby:(7.5点)滑らかで落ち着いた音。ベースは上品な鳴り方。
② Dang Dang:(7.5点)滑らかながらも迫力のあるバスドラム。
③ シューベルト「ます」:(7.25点)バランスの良い美音。低音の響きは控え目。
<Oppo Sonica DAC(DAC:ESS ES9038Pro)>
① Waltz for Debby:(7.25点)臨場感はあるが、さっぱりとした表現。ベースの迫力はそこそこ。
② Dang Dang:(7.5点)迫力のある音。ボーカルが弾んでいる。
③ シューベルト「ます」:(7.25点)少し硬質な音。低音は出ているが量感は少ない。
<Myteck Digital Brooklyn DAC+(DAC:ESS ES9028Pro)>
① Waltz for Debby:(7点)嫌味のない音。ベースが控え目で小さい。
② Dang Dang:(7.75点)広がりのある音。バスドラの迫力がある。メリハリが効いて余韻の美しい音。
③ シューベルト「ます」:(7.75点)ピアノの音が弾んでいる。低音の量感も豊か。
という結果だった。
単純に点数の合計で優劣をつけられるものではないが、総合的にはやはりBrooklyn DAC+が優位であった。僅差でそれに続くのがNA-11S1。ここまでは事前の予想通りだった。
意外だったのが最古参のK-05の奮闘。特にWaltz for Debbyのスコット・ラファロのベースの鳴り方が自然な感じで良かった。
最新のDACチップ搭載のSonica DACはこの面子の中では最下位となってしまったが、実力は伯仲している。また、4機種の中では最も歯切れの良い音なので映像音声の再生という現在の役割は正解だということが分かった。
また気が向いたら別の音源、接続方法で比較試聴を行いたい。