サブシステム構築④

予定通り朝から電気道師匠のF君の家に行ってスピーカーの内部配線の端子の取り付けをやってもらった。このケーブル、BELDENの9497は別名「ウミヘビ」と呼ばれているのだが、とにかく素線も螺旋巻きの撚りも堅くて扱いにくい。師匠も少し苦労したようだ、が、やっぱりしっかりと組み上げてくれた、さすが。

しっかりと端子が取り付けられたBELDEN 9497

配線とデジタルアンプLXA-OT1改を受け取って家に跳んで帰る・・・さあ組み立てだ。
予め開けておいたスピーカーユニットと背面の端子用の下穴なのだが、端子を接続した現物を付けてみると微妙に位置が合わずに開け直したりとちょっと手間取ったがなんとか完成した。

完成したバックロードホーン

細かいことを言えばきりがないが、パッと見は良いではないか。なんだか北欧の方のスピーカーのようだ。(昨日はイタリアのソナスファベールと言っていたが・・・)
白いスピーカーコーンが斬新、とにかく当初の期待を遥かに上回る出来栄えだ。

さっそくアンプと繋いで鳴らしてみる。

試運転

もちろんアンプは例のONTOMO付録のデジタルアンプに手を加えたものだ。
先日のF君のシステムにはLXA-OT3改が使われていたが、僕のシステムはLXA-OT1改。比較試聴にと、ご丁寧にもF君が自分用のLXA-OT3改を貸し出してくれた。

LXA-OT1改とLXA-OT3改

その型番からも分かるようにLXA-OT3はLXA-OT1よりも後に出たもので、それなりにスペックは向上している。出力もLXA-OT1は5Wx2でLXA-OT3は12Wx2である。
双方ともに「改」という名が付くのはF君によって手が加えられているからだ。アルミのケーシングだけでなく、電解コンデンサをオーディオグレードのものに換装し、IN/OUTのインターフェイスも2系統になっている。それに加えてLXA-OT1改ではオペアンプにLM-6172を奢っているのだ。
交互にOT3とOT1を繋いで比較試聴をしてみたが結論はすぐに出た・・・LXA-OT1改の方が良い。
LXA-OT3改の特徴だったクリアーでエッジの立った音は少し神経質に感じるところがあったのだが、LXA-OT1改は潤いのある骨太な音になっている。これがオペアンプの違いなのかもしれないが、僕的にはLXA-OT1改の方が断然良い。という事をF君にもフィードバックしておいたので、LXA-OT3改のオペアンプはLM-6172に換装されることだろう。

予定通りにサブシステムのスピーカーはリビングルームに作り付けの棚の上に横に寝かせてセッティングすることにした。棚そのものがしっかりしているので、棚板の箱鳴りなどは大丈夫だろう。取り敢えずは天板に直に置いてみたが、スペーサー的なものを入れるかどうかはこれからの検討課題である。
そういえば内部配線も含めて正確に結線されているかどうかを確かめておく必要がある。そういう時にはこのチェックCDを使う。

NORDOSTのチェックCD

位相がおかしいと気付いたものの、その原因を突き止めるのに苦労した経験もある(ビクターのSX-M7で)ので、恐る恐るチェックしてみたがOKだった、よかった。このCDは「システム・バーンイン」という信号もあるのでそれをリピート再生してシステムのエージングを加速してやる。

完成したサブシステム

これからのエージングで音はどんどん変化していくだろうが、まずは期待した方向性の音が出てきた。
ただ少し予想と違ったのは小音量再生よりもそれなりに大きな音で再生した時の音の良さ。言い換えると小音量再生ではまだ合格とは言えない。その辺は吸音材の量や設置位置、スペーサーなど、今後のセッティングで追い込んでいきたいと思っている。ポテンシャルは十分そうだ。

ここまでに掛かった費用をまとめておく。
スピーカーユニット Fostex FE83NVと圧着端子(ヨドバシドットコム):8,962円
エンクロージャー 手作り品(ヤフーオークション):5,200円
スピーカーケーブル BELDEN 8470(10m) と背面のターミナル(Amazon):4,826円
粘着シート(コーナン):896円
内部配線 BELDEN 9497(でんき堂):400円
デジタルアンプ LXA-OT1改(ONTOMOショップ+F君の改造費):ゼロ
合計は20,284円と2万円の大台を僅かに超えてしまった。しかしながら、その100倍以上の価格のメインシステムと比べるととてつもないコストパフォーマンスである。
因みにアンプ側の費用をゼロとしたのはLXA-OT1をONTOMOで購入したのは10年以上も前の事で、今回発掘してやらなければ完全に箪笥の肥やしというか死蔵されていたものなので。また、F君がやってくれた改造部品のコストと作業費は太っ腹にも奢りということなのでご厚意に甘えることにした。

まずはこれにてサブシステムの構築は終了である。
そういえばバックロードホーンに名前を付けるのを忘れていた。そのうちに良い名を考えてやろう。