黒檀で嵩上げしてみた

サブシステムのバックロードホーンは備え付けの棚の天板に直置きにしてきた。
エンクロージャーの板厚があまりないので、全体的な剛性を上げてしっかりとした音を出してやろうというのが狙いだ。

ところがここにきて低音のキレが悪い、というか音色が濁った感じを度々感じるので思い切った改造に踏み切った。
直置きを止めて棚の天板から離してみる。その分、低音の量感は減るかもしれないがキレは良くなるだろうという期待を込めて。

天板からの離し方だが、こういう時にいつも使う定番のオーディオテクニカのインシュレーターのAT6099がちょうど8個あるのでそれを使おうと思った。AT6099はDACや小型アンプなどの脚として何回も使ってきて、その効果のほどはよく知っているつもりだ。傾向としてはアイソレーションがしっかりできて、その分SN比は上がる方向だ。しかしながら、少し音が曖昧になるところもある。よって、今回はキレの良い音を目指しているのでちょっと違うかなと思った。

そこで思いついたのが山本音響工芸のQB-4というアフリカ黒檀のキューブである。比重が1.4と大きく、手で持つとずしりとくる頼りがいのあるやつである。オーボエやクラリネットなんかに使われてる材質らしく、当然響きも良いはずだ。

山本音響工芸のQB-4

実はこのQB-4、今を遡ること13年前に当時の愛機であったLo-DのHS-1400の脚として使っていたのものをとっておいたのだ。
但し、加工精度が凄くてピン角、そして一つ一つの寸法精度も高いので、適当に置いてみたら天板の上でガタができてしまうし、スピーカーと脚の位置決めも難しいことがわかった。そこで手持ちの薄い天然ゴムのシートを挟んでバックロードホーンに弱く接着してみた。

QB-4を四隅に軽~く接着

これでガタ無く設置することができた。
見た目も今までとは随分変わってスッキリした。だが、はたしてバックロードホーンをこの向きに設置するのって正しいのかなという基本的な疑問は残るのだが・・・。

嵩上げできたバックロードホーン

その効果のほどであるが、バッチリ狙い通りだった。
こもり気味でモゴモゴとした感じが取り払われ、表情豊かですっきりとした音になった。心配していた低音の量感の減少もあまり感じない。これは適度な箱鳴りができるようになったことと、脚とエンクロージャーの間に挟んだゴムシートが良い方向に作用しているのかもしれない。加えて、少し内向きにセッティングすることで音像定位も良くなったような気がする。

少し内振りにセッティングしてみた

いいぞ、QB-4。大事に取っておいて良かった。