悪いところばかりではないのだが、新システムの音質の不満点をまとめると、全般的に音が痩せていて潤いがない、言い方を変えれば中音域が高音域に負けている。それに加え、特定の周波数帯で共鳴のような現象があってこもり音のように響いて不快。
これらの不満点の改善に向けて今日はスピーカー周りを色々と弄っていった。順不同で作業とその効能を記していく。
<バックロードホーンのダンピング>
手芸用の綿、厚手の靴下をホーン開口部から押し込んでみる。綿に関しては、その量や押し込み位置なども変えてみる。
結論的には無しが良い。事前の印象と逆で綿を入れると音が痩せる。靴下はもっとダメ。
結局のところ、ホーンを塞ぐことでバックロードホーンがただの密閉型に近づいていったのだと思う、8cmのフルレンジスピーカーの素の音に。エンクロージャーの中で共鳴等の現象があれば綿の効果もあるのかもしれないが、現状では詰め物をするメリットよりデメリットの方が大きいので当面は詰め物無しでやっていく。
<スピーカーの置き方>
リビングのサブシステムとしてこのバックロードホーンを作った際、見た目の安定感だけで横置きを選び、尚且つ棚板ベタ置きには抵抗があったので手持ちの黒檀キューブを脚として使っていた。且つ、スピーカーの上には3kgの錘を載せていたのだが果たしてそうした置き方がこのスピーカーの実力を発揮するためにどうだったのかの検証も含めて色々とやってみた。
① まずはあまり気乗りしなかった縦置き。バックロードホーンは通常縦置きで使うものだ。でも、棚板上に置くことは決めていたので見た目の不安定さで敢えてこうしてはいなかった。試しにやってみるしかも直置きで。
危惧していたように(?)この置き方から出てくる音はまともだ。ユニットが耳の高さに近づいたこともあってボーカルが聴きとりやすいし、変な共鳴音も感じにくい。しかしながら、やはり見た目の不安定さを許すことができないので一旦はNG。
② ①の状態で3kgの錘を載せてみる。長岡教だからこの道は避けて通れない。
音の評価をするまでもなく地震が来たらひっくり返りそうなのでNG。ただ、錘がB&Wのツイーターのようにも見えるね。
③ ①の足元にオーディオテクニカのインシュレーターAT6099を挟む。
音がスッキリする、かといって低音の量感が減ったわけではない。縦置きならこれがいいかも。
④として、これに錘を載せた組み合わせもやってみたが、②同様にひっくり返りそうなのでNGとした。
⑤ 横置き。但し、黒檀キューブの脚は取り外した。
縦置きよりも低音の量感が増えたような気がするが、同時にちょっとうるさい音にもなってしまった。
尚、ユニットの内外についても試してみたが外側の方が良かったので、これから先は横置きの場合はユニットは外側配置とする。
⑥ ⑤の足元にAT6099を挟む。
これは良いかもしれない。⑤に比べると全体的に整理された音というか、嫌な音が出なくて聴きやすい。これなら縦置きにも対抗できる。見た目的にはこちらの方が当然縦置きよりも良い。
⑦ ⑥に3kgの錘を載せる・・・どうしても避けられない錘載せ。
AT6099の耐荷重は1個あたり5kgなので問題はない。ただ、⑥に比べると全体的なスケールが小さくなったような印象だ。錘をスピーカーの側板に載せることの得失として、全体の剛性を上げるメリットとがあると同時に、スピーカー自体の鳴き、特に側板の鳴きを抑え込んでしまうデメリットがあるのかもしれない。
と、ここまで考えたところで閃いた!錘の向きを90度変えてみるのだ。そうすればスピーカー自体の鳴きもある程度自由になるだろう。
なんか良いではないか。スピーカーが嬉しそうに歌ってる感じだ。微調整は残すものの。スピーカーのセッティングはこれでいこう。