ソフトボールを卒業することにした。
途中海外にいたことなどもあって何回かの中断があったが、足掛け40年とはこれまでの自分の人生で最も長く続けたことの一つだった。
毎週日曜の午前10時にグランドに行って練習をして、年に10試合ほどの公式戦に出て、時にはチームメイトと酒を飲んだり、旅行に行ったりというのが完全に生活の一部となっていた。
ソフトボールを続けるために腰の手術もしたし、体力を維持するために始めたウォーキングの通算距離も8,000kmを超えた。
卒業のきっかけは右手人差し指の骨折。
ちょっと酷い突き指だと思ったが、腫れも痛みも引かないので医者に行ったら粉砕骨折であった。割れた骨は二カ月もあればくっつくらしいが、第一関節の付近の損傷が直ることはないだろうと言われた。人差し指の第一関節が曲がらなくてもあまり生活に支障がないことはわかったが、再び大きな入力があると更に酷い骨折になるだろうということでソフトボールをやめることを勧められた。
昨今は異常気象と年齢のせいで猛暑の日の試合では朦朧として生命の危機を感じることもあったし、チームメイトの足を引っ張るようなミスも増えた。手術をした腰だけでなく、いくつもの関節、筋肉、筋が悲鳴を上げていることも感じ始めた。
何事も潮時というものがある、辞め時が肝心だ、すっぱりと辞めよう。
夏の日のグランドの陽射しと日陰のコントラストが懐かしい。
