サクラチル

ここのところの週末は雨続き、花見をせずに機を逃した人は多いだろう。
会社の構内に咲いた桜は毎日のように眼にしてはいるが、職場でもあるしのんびりと愛(め)でている余裕もないし写真を撮るわけにもいかない。ということで、花の盛りを過ぎたことは重々承知の上で近所の桜の見所を散策して回った。

まずは我が家から坂を下ったところにある舟地蔵公園。
ここは桜の見所ではなくて花壇に咲く花が美しい。
こんなのもある。
訪れる人はあまり多くないのだが、いつも綺麗に手入れされているので好感が持てる公園だ。

舟地蔵公園の前の道を渡って引地川方面に。水門と水路の脇に桜がちらほらと見え始める。
この辺りは遊水地となっていて、台風などの大雨で川の水位が上がると下流での氾濫を防ぐために浸水させる土地だ。
その分、土壌も肥沃らしくこの季節は豊かな緑にあふれている。ついこの間までの寒気がうそのようだ。
ふかふかの緑の草地に生える木。おもわず「♪♪この~木なんの木、気になる木~♪♪」と口ずさみそうになるのは僕だけではないだろう。
引地川沿いの遊歩道に出る。峠を越えてしまったとはいえ、桜のトンネルが美しい。
探せば見ごろの桜もちらほらとあるし。
川の中洲に群生している菜の花とのコントラストが春の盛りを感じさせる。

犬を散歩させたり、お弁当を広げたり、桜の下を走ったりと皆楽しそうだ。
草の生い茂る土手に座って水面を見るもよし。

引地川を後にして大庭城跡公園に。
見ごろを過ぎてしまったのか、例年花見客で満杯のところも今日の人はまばらだ。
ツワモノドモノユメノアト・・・っていう感じかな。
ふと足元に目をやれば、それは見事な花吹雪(の跡)。
「兼六園の桜咲く」と「能登の海の波高し」はかの金沢大学の合否電報の暗号だと聞いたが、さしずめ今日は「大庭城跡の桜散る」となり、はたして受かったんだか落ちたんだかわからない電文になってしまうところだ。