2017秋 道東④

<北太平洋シーサイドライン~納沙布岬>

そもそも今回の旅の経路を思い立ったのは「北太平洋シーサイドライン」という名称が気になったからである。2年前に訪れた「オロロンライン」の記憶が僕をこの地に引き寄せたと言っても過言ではない。
僕の好きな道や景色の条件、もちろん他にもあるけど、「海沿いの道」、特に「片側は山の迫った海沿いの道」、そして「荒涼とした眺め」が好きなのだ。北海道の海岸線沿いの道の多くはこの条件を満たしているのではないだろうか・・・だから来てしまった、「北太平洋シーサイドライン」なのである。

地図(Googleマップ)を見ると、別名「なぎさのドライブウェー」などとチャラい呼び方をされているようだが、実際の道道123号線とそれに連なる142号線はそんな軟弱なところではない。
天気が良くなかったせいもあるが、男らしい、荒々しい、どちらかといえばモノクロームが似合うような硬派の景観が続くのだ。

行き交う車は少ない、一人旅だ。(正確にいうと二人旅だけど)

数キロおきにある小さな集落や港、岬を見ながら東に進む。

暫く海沿いを進むと142号線は一旦内陸部に入り、根室本線と併行して走る。この辺りでは「花咲線」とも呼ばれており時折その看板が見える。
落石(おちいし)でまた海岸線に戻る、少し寄り道をして海を見下ろせるところまで行ってみた。湾を挟んで海に突き出た台地の落石岬が見える。

手前の落石湾では漁船が何かを獲っている。港に引き揚げられた漁船の上を沢山の海鳥が舞っている。

142号線の終点は根室の町だった。最果ての町という感じではなく、そこそこ賑わっているようだ。もっと平らな町並みを予想していたのだが、思いの外に起伏のある町だった。
根室市街から納沙布岬までは20分ほどで到着。生憎の雨でもあったし、国境の町独特の何か偏った宣伝文句などが沢山あっておどろおどろしい。
「望郷の岬公園」の碑の前に車を停めて記念撮影をして、そそくさと日本最東端をあとにした。