PCオーディオ事始め(続編)

Acer ASPIRE 5745GのSSD化に端を発したPCオーディオだったが、使ってみると事のほか快適だ。
なんといっても操作性が良い。
ネットワークプレーヤーのMarantzNA-11S1も、単体DACのOppo SonicaもNASに在る楽曲データの再生にはiPadなどのタブレットのアプリで操作を行なう。これがまたトロい。
反応は悪いわ、ネットワーク上で迷子にはなるわ、アプリが固まるわ・・・ということでストレスが溜まる。結果的にネットワーク再生に嫌気がさしてインターネットラジオやradikoに走ってしまう。
その点PCそのもので動作するFoobar2000は快適だ。まだまだ環境設定で改善の余地(アルバムアートを表示するとか)はあるものの、大画面のPCを使ったUIとマウスでの操作はタブレットに比べると雲泥の差である。

アルバムにしろ、アーティストにしろ、タブレットではアルファベット順の後ろの方に行くには画面をスクロールするのが大変、なのでどうしてもアルファベット順の若いもの(Al Haigとか)を再生することで妥協してしまうことが多かった。それに対してPCではスクロールが早くて楽だ。なので聴く曲に偏りがなくなる。

では音質的にはどうなのか。というか扱える音源とその再生環境はどうかということを整理してみる。
今まで我が家では音源がCDの場合には、①CDP(K-05)、②CDP→NWP(NA-11S1)、③CDP→DAC(Sonica)、④NAS→NWP、⑤NAS→DACの5種類が選べた。①~③はCDそのものを音源にリアルタイムでの再生で3種類のDACの違いを楽しむことができる。いずれもサンプリング周波数は44.1kHz、16ビットのPCM音源である。
④と⑤は一旦PCでCDをリッピングしてNASに蓄えたFLACフォーマットの音源の再生。これもNWPと単体DACによる音の違いを聴き比べられる。またこの二つの再生方式では音源としてe-onkyoからダウロードで購入したハイレゾ音源も含まれる。これは最大192kHz、24ビットまでのものがある。ハイレゾ音源として売るだけあって元の音源のクオリティが高いのだろうが、時と曲によっては①~③の音とは明らかに違う高音質を味わうことができる。更に高音質の音源にはDSD方式でコーディングされたものがあるのだが、これの再生にはDSD方式に対応した再生機器(DAC)と転送のハードウェアが必要、現時点で最も現実的な構成はPCとDAC、そしてその接続はUSBケーブルということになる。

と前置きは長くなったが、今回の5745Gの復活によって昨年末に導入したSonica DACを使ったDSDネイティブ音源再生の環境が整ったということなのである。

たださすがにPCオーディオ、Foobar2000がインストールされたPCとDACをUSBケーブルで繋ぐだけではDSDフォーマット音源の再生はできない。Foobar2000にプラグインとよばれるファイルを追加しなければならない。
で、これが分かりにくい。使うPCがWindowsなのかMacなのか、WindowsでもOSが7なのか10なのかなどで使うファイルも設定も異なるし、PCに入っているウィルスバスターも「異物」の追加には厳しい反応を示すのだ。ということで未だ我が家のPCはDSD対応環境にはなっていない。
それともう一つ、肝心のDSDフォーマットの音源を e-onkyoのサイトから購入しなければならないのだが、クラシックにするかジャズにするか、はたまたどの作曲家、どのアーティストの何の曲にするのかで迷ってしまう。これには月刊Stereo誌の巻末にある「今月のソフト」の評価を熟読して決めることにしよう。

更にいうのであれば、物理的な設定環境。
現時点でPCは暫定的に厚紙でできたボックスを積み重ねた上に鎮座している。これはこれでいい感じなんだけど、やはり恒久的にはしっかりとした台の上に置いてやりたい。PCの電源のはい回しも見た目良く整理したい。
またDACとの接続に使うUSBケーブルや、ルーターとPCを結ぶLANケーブルにもしっかりとしてものを使いたい。(昨日までは有線接続もせずWifiで済ませていた。)
などなど、まあ新しい機器を導入した時のいつもの一通りの儀式なのだが、これが楽しいのだ。
いいね、PCオーディオ!

とか言っているうちに続々と「物」が届き始めた。
課題だったPCの設置場所と各種ケーブルのグレードアップと配線の整理は一応の目処が立った。
厚紙ボックスの代わりにはスツールを購入。(1個だと思ってたら2個入ってた!)

安価なものだけど良い感じ、高さも良いね。部屋全体がスタジオみたいで格好良いし、ソファーに座っての操作ができるのが嬉しい。
こちらもそんなに高価なものではないが、造りのしっかりしたLANケーブルでルーターとPCを接続、WifiはOffにした。

有線接続用のドライバを消去してしまったようで繋がらなくて苦労したがなんとか解決。スピードテストをしたらびっくりするほど速い!

PCの電源は近場の壁コンセントから引き回して目立たなくしたいし、雷対策もしてあるタップを選んだ。
あとはDACとPCを結ぶUSBケーブルだが、これはSAECのものの配送待ち。

ハードの方は順調だが、DSDに対応したソフト側の環境設定にも取り組んだ。
プラグインにはWASAPIとASIOがあるのだが、OppoのHPにも手順が出ているASIOに。ちょっと苦労したがなんとかプラグインも完了し、OppoのHPにあるDSDサンプル音源を鳴らしてみる。

おぉ~、成功だ。

これでPCオーディオ事始めは一応完了。僕のオーディオにまた新たな1ページが開かれた。
「レコードはどこに行っちゃったのぉ?」と家人には呆れられているんだが・・・