改造のシナリオを整理する。
ここではカートリッジを構成する要素を4つに大別する。
①ヘッドシェル
②リードワイヤ
③カートリッジ
④スタイラス
である。
で、2号機には④のJICOの黒柿スタイラスを付けることは決まっているのだが、それだけでは工夫がないので①のヘッドシェル、③のカートリッジについても手を加えたい。と思っていたらJICOの黒柿に続いて興味深いものをネットで見つけた。カートリッジそのものを弄るつもりはないのだが、ハウジングを弄る。オリジナルは樹脂のハウジングなのだが、それを置き換える黒檀製のハウジングキットがあった。シルバーハートという工房が提供しているのでそれを手配した。
その次は①のヘッドシェル。これについては山本音響工芸がやはり黒檀製のものを販売している。この会社は木工のプロフェッショナル、我が家のラックも山本音響工芸のものである。ついでにこの黒檀製ヘッドシェルには6N銅線のリードワイヤがしっかりとはんだ付けされているので結果的に②のリードワイヤにも手を入れることになった。
④のJICOの黒柿スタイラスの到着は数日後になりそうなので、まずはこの2アイテムをやってみる。
まずはM44Gのカートリッジをオリジナルの樹脂ハウジングから切り出す。
これをシルバーハートの黒檀製ハウジングに接着する。
接着剤が硬化するのを待ってヘッドシェルに組み付ける。テクニクスのオーバーハングゲージを使ってしっかりと前後位置を決めて組み付ける。
1号機と比べてみる。
裏面はこうなっている。
上の写真をよく見るとわかるのだが、2号機のスタイラスとカートリッジの上下方向の隙が1号機に比べると大きい。これが先の落下のせいなのか、それとも個体差なのかはわからないが、この隙を埋めると音に効いてくるというのを見たことがあるので対策した。下の写真を見てほしい。
ということで本日の作業は完了。さっそく音出し。
その音たるや・・・「これが同じM44Gなのか、素晴らしい!」の一言に尽きるんだけど、オリジナルのM44Gの良さもあるので、1号機と2号機でどう違うのかはあとでまとめてポートする。そのうち黒柿スタイラスも届くことだし。
ここまで書いて思ったのだが、2号機に関して残ったオリジナル部位はカートリッジ本体の四角い筐体とその中身だけである。カートリッジを収めるハウジング、カートリッジに刺さるスタイラスも黒柿になるわけだし、ヘッドシェルとリードワイヤに関しては千差万別である。何を以って「M44Gの音」と呼べるのだろうか。
アナログも面白い。