数年前から懸案となっていたRD-X9のHDD交換を行った。
RD-X9はPanasonicのプラズマTVを導入した後にハイビジョン画質対応への完成形として2009年12月に購入したものだ。フルハイビジョン放送(今の言い方だと2Kではあるが)の録画機能はもちろん、当時としては大容量の2TBのHDD搭載に加えて最大16TBまでの外付けHDDを接続できるという画期的なスペックのレコーダーだった。
面白いことに、この頃は「TVはPanasonic、ビデオは東芝」という志向だったらしい。今のメインシステムは双方ともPanasonicで揃えており、そうすることでTV~ビデオ間の機能的な連携のメリットは大きいが、今でも時折ビデオ単体の機能では録画データ格納のフォルダ機構を持つ東芝が優れていると思うことがある。それは長年このRD-X9を使い続けて刷り込まれたものではあるが、その他の家電の印象でPanasonic党になってしまった今でも公平な評価だと思う。
閑話休題、現在RD-X9はメインシステムの構成要員からは外れてダイニングの小さめの液晶TVの専属となっているので、録画する番組数はずっと減ったのだけど、それ以前のフル回転時も含めこれまでの11年間にHDDの残り容量を気にしたことは全くなかった。2TBというHDD容量の設定はそれだけ絶妙だった。
それに加えて搭載されているHDDは購入後11年を経過しているのに未だにほぼ健康体というのも驚きだ。とはいえ、HDDは有限寿命の工業製品であり、ある日突然死をすることも十分考えられる年齢でもある。
ということで、2016年9月に交換用のHDDを入手しておいたのだが、突然不調となったNASのHDDとして使用してしまい、再度2018年7月に購入したHDDもPC用の外付けHDDとして使ってしまった。
そうこうしているうちにもRD-X9も最近は起動や終了にかかる時間が長くなり、相当お疲れの様子であったのでついに三度目の正直、HDDを購入、交換に至ったのだった。
今回購入したHDDはSeagate製のBarraCuda 3.5″ 2TBで、6Gb/s 256MB 7200rpmというスペックだ。(型番:ST2000DM008)
Amazonでの購入価格は7,000円弱で、この価格レベルはここ数年不変だ。但し、生産国は中国、今まではタイ製が多かったのでタイ帰国子女の僕としてはちょっと残念だがまあいいだろう。
ネット上でRD-X9のHDD交換に関する情報を調べてみたが、どれも「非常に簡単」というものだった。とはいえ、10年ほど前にRD-XS43のDVDドライブ交換をした時に痛い目にあった経験もあるので今回は慢心なく慎重に臨むことにする。
http://d.adkreuz.com/archives/93
TV台の下のRD-X9の配線類を外して(後でわからなくならないように写真を撮っておいてから)本体を引き出す。筐体の5本のネジを外してカバーを開ける。内部にはうっすらと埃は積もっていたものの想像以上に綺麗だった。フラットケーブルをとめる粘着テープが黄色く変色しているところには10年超の時間を感じるが、その他の部分は新品同様といっても差し支えない外観だ。
SATAの信号ケーブルと電源ケーブルを外し、ブラケットごとHDDを外す。 オリジナルのHDDはWestern Digital社製のものだった。
このビューで並べてみるとそっくりではあるが、交換用の新品の厚みが従前品よりかなり薄い。内部のプラッターの枚数が違うというような話を読んだような気もする。 SSDに押されて存在感が薄れつつあるHDDではあるが、この数年の間にもHDD上の情報密度を上げるような技術がより進化したということであろうか。
ブラケットにSeagate製の新品HDDをマウントしたら、解体の時の逆の手順で組み立てていく。数分で組み立て完了、見た目では完璧だ。
RD-X9を元の位置に戻してケーブル類を結線しなおす。恐る恐る電源を入れると何のためらいもなくRD-X9は起動した。手術から蘇生する人体の様だ。
此処から先はHDDを初期化し、念のためにRD-X9本体の設定を工場出荷状態に戻す。地デジとBSのチャンネル登録やらネットの設定をしたらもう完了。
あっけないほど簡単に作業は終わった。
で、交換後の性能についてだが、終了動作にかかる時間はかなり短縮された。起動も短くなったと言いたいところだが体感的にはあまり変わらない。きっと本体のOSまたはBIOSの設定に依存するものなのだろう・・・ということにしておく。今までは無音だったHDDから時折シーク音が聞こえてくるのがちょっと残念だが気になるほどではない。録画と再生の機能確認についてはこれからだがまあ大丈夫だろう。
長寿だった旧HDDをどうしようかな~というのが目下の悩みかな。